BLOOMというのは、四端の心だね。

BLOOMというのは、四端の心だね。病院を舞台とした「太陽神の牛」は、'人の為に死ぬな'を言うとき、BLOOMの <惻隠の情> を通して物語る。海岸の 「ナウシカ」は、<羞悪> (都市の刹那的消費を非難)。赤線地帯の「キルケ」は、多分ジョイスにとって滅茶苦茶苦手な<謙譲> (理性ある痛くないマゾヒズム?)。アイリッシュパブを舞台にした「キュクロプス」は、<是非> (民族にとらわれない普遍主義的な友情のあり方を言う)。どんな人間も平等に四端の心をもっているから、目標の仁義礼智に向かって一歩一歩実現できるんだ。ただしそこはジョイスだから、一直線じゃないんだけどね、アイルランドロードムービーみたいにぐるぐると彷徨っては元の出発点に戻ってきちゃったりする。これだけはいっておくよ(笑)