ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.8

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.8

・理念としての聞くことのありかた。これは、No.7で述べた、小さな声の理念性と一体をなすとかんがえられる。(ポール・ヴァレリーの詩(堀口大学訳)からの引用)

 

(駒鳥の声のなかの、フルートの音の妙なる細部と澄んだ響きの繊細のなかの、雷鳴の威嚇、絶対の現前。かすかな微笑みが仄めかす、満面の陽光。おお、かすかな声よ、限りなく澄んだ言葉の、ささやきのごときもの。... 言葉を聞き分けられずに、離れてそれを耳にした者ならば、何も言ってはいなかったと、思うはずだ。安堵しきった耳にとっては、取るに足りぬことなのだ。だがその対照と、その音楽と、わずかに空気に皺を刻むその声は、このささやきの力、この眺望、発見、深淵、そして見抜かれた企み、宇宙を退き取らせる、この微笑み!)

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