論語の世界 No. 10

論語の世界 No. 10

ここで言葉の問題についてかんがえてみますと、ヨーロッパ語の翻訳で考える日本語の貧しさというか、これでは書いている人も読む人も考えることができないのだと思います。言葉の構造の問題ならば、個人個人の努力ではどうにもなりません。17世紀の文献を読んでいますが、漢字の受容から1000年経てやっと他者の言葉が自分のものになったということがわかります。考えることができる、漢字を中心とした日本語が成熟し完成したのです(政治の自由はありませんでしたが、カントと同時代の思想革命があり言論活動は活発でした。比べると、現在は政治の自由があるのに思想が活発とは思えません。)。そうならば、現在はヨーロッパ語の受容から百年とか二百年しか経っていませんから、これから800年後でしょうね、考えることができる、ヨーロッパ語(翻訳体)を中心とした日本語が成熟し完成するのは。このことをみんなで考えることは無意味ではありません。未来の世代の言語環境を想像できますし、ここから、現在だけの都合で再稼働の核のゴミで未来を生存不可能にしてしまうというようなことにはならないと思うのですがね。

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