2018-08-09 詩 ー『仁斎論語』 日本語は漢字と仮名でできているというが、 そういう日本語は皆のためにあり、 われわれのためではなかった。 なぜなら、真の日本語とは、 見ることのできない日本語だったからだ。 それ以外になかった。なぜなら、すでに忘れられ、 なお禁じられ、つねに見えないもの、 それがわれわれの日本語だったから。 『仁斎論語』はわれわれに日本語を堅信させた。 漢字から与えられ漢文から自立していく、 漢字書き下し文が時代にさからうわれわれの言葉だ。 漱石や秋水に属している。