『ゴダールのリア王』(King Lear 1987)

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ゴダールリア王』(King Lear 1987)

ニ十世紀は映画の世紀。今世紀にはいって古典的傑作は急速な勢いで忘却されることになった。映画は見えないものとなってきた。それと同時に、ゴダールの名は、デカルトの名が哲学それ自身を表すように、次第に、映画それ自身の存在を表すようになってきた。ある伝記作家はゴダールに「リア王」の名を付与した。世界たる、この道化は、見えないものを見えるようにしたいと荒野を彷徨い続けるのか ー 描くものがなくなって仕方なく自身の周りを描くようになった監獄の囚人のように。魔術師が箱ー白紙の本に変身したスクリーン?ーを開けたら光が溢れだすー見えるものと見えないものとが共存する世界のために