ゴダール論

1、アジアの形而上学がつくられてくる時代の議論を読むと、上(天)に行くものと下(地)に行くものとのあり方に整理されてしまうことが無理な、今風に言うと記号の二元論を突き崩すようなかんじで、上に行くことは行くがその上に行ったものが下にやってくることの不条理な意味を切実に問う議論が出てくる。この時代の議論を正確に汲み取ることは難しい。

2、700年後の映画の時代は、視点移動の垂直方向ではなく寧ろ水平方向の近代が問題となるとき、消滅した形而上学の視点が発見された。左側に行くことは行くが左側から右側に戻ってくるときの意味を問うゴダールの批判的構成はどこに線を引くかによる

3、線が天であるか?線を描く/言説を書く。すべてが違ったものとなるために何も変えてはならない、又は何も変えないためには非等質的差異と関わらなければならないという。20世紀の映画を住処とする精神の歴史を映し出した変な形而上学、と同時に、反時代的に教条主義に絡み取られぬ形而上学批判である‬

‪4、線が先行する。線は空間の中に同一化されない。線の存在は空間との間に距離が必要である。思考の外部の点から思考の空間に投射される自立した線が要請される。線を描く\書くとは、言説を以って天を与えること。線を斜めに引くことによって、史上なものと卑近なものが等しくある他者の配置が成り立つ‬

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