言説「憲法は本来的に国民を統合する」に反論する

言説「憲法は本来的に国民を統合する」に反論する


言説「憲法は本来的に国民を統合する」はどう読まれたか?どう読まれたかといっても、この言説を批判するひとがいないので、結局このわたしがどう読んだかをここに書くだけなんですけれど。憲法の力とは、絶えず国際協調主義を発明していくことにあり、発明をやめてしまうと憲法の言葉は化石になってしまいます。またそれは国際協調主義の理念性を市民が自分たちのものにすること、敢えて言うと、市民を国民から分裂させる力だと思います。無理に統合するから、解釈改憲による軍国主義が復活し、また国家神道が復活するのではないですか。野党の政治家が言い出した国民統合の言説に先行して野党による靖国神社の参拝がありました。これをしっかりフォーカスしてみなければなりません。戦後の靖国神社は法人であり国家神道の国家ではなくなったといってもですね、参拝する民とそれを受け入れる社(建造物)があれば、国家神道と等価なものが成り立つという傾聴すべき指摘があります。アメリカと中国から自立するあり方を考えることは、市民にかかわる認識として国際協調主義の理念性を再構成することであって、日本会議の「日本しかない」と叫ぶ国際協調主義の理念性をゼロにしてくるナショナリズムと違います。