2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「論語」の世界 No. 6

「論語」の世界 No. 6 原初のテクストを読むということは、二千年なり二千五百年後のわれわれが読むことは根本的にありえない。「論語」も注釈の痕跡を通してしか読めない。だが、合理的にみえる文献学の近代はなんというか、古ければ古いほど読みの正しさ…

言葉と物のコンパクトな世界 No. 10

言葉と物のコンパクトな世界 No. 10 問題は、それこそより散文的でより精神的でないことなのだが、自然、交換、もしくは言説(デイスクール)をもつものとしての人間をそれ自身の有限性の基礎として価値づけようとこころみるに際して突きあたる、経験的=先…

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.7

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.7 「かすかな声、おだやかな、か細い声で、大それた、重大な、驚くべきこと、深く、そして正しいことが語られる。」 ・この世の中は大きな人間の声でなければ重大な正しいことが伝わらないと教えられる。小さな声たち…

「論語」の世界 No. 5

「論語」の世界 No. 5 長い時間を要する思想の問題をあまりに短い時間で便利に答えを見つけようとするから難しい、難しくなる。自分ひとりで考えるのが難しいとき、考えることを諦めてしまうよりも、なぜ友と共に考えないのか。その友は過去に書かれた言葉で…

ジェイムス・ジョイスの世界 No. 10, 11

ジェイムス・ジョイスの世界 No. 11 近代文学というのは、国と時代の普遍的理念を具体的人間像を通して同一的に呈示する。ここで抽象的他者との出会いが表現される。この外では他者との一致はない。だが、ジョイス文学は、いつ何時にどこのパブで誰々と会っ…

今回のケースは、政府を批判する日本人を追放する卑劣なラベル張りだ

「二重国籍」として非難する今回のケースは、政府を批判する日本人を追放する卑劣なラベル張りだ。そもそも在日の人々の苦しい立場を無視してここまでマイノリテイーが生きていけないようにする国家ならば、その一部であるとみとめられた日本人でもそこで生…

言葉と物のコンパクトな世界 No. 9

言葉と物のコンパクトな世界 No. 9 La seul chose que nous sachions pour l'instant en tout certitude, c'est que jamais dans la culture occidentale l'être de l'homme et l'être du language n'ont pu coexister et s'articuler l'un sur l'autre. Leu…

言葉と物のコンパクトな世界 No. 8

言葉と物のコンパクトな世界 No. 8 「さしあたりまったく確実なこととしてわれわれの知っている唯一の事柄といえば、人間の存在と言語の存在が、共存してたがいに連接しあうことは決してできなかったという一言にほかならない。二つのもののこの非両立性こ…

ベンヤミンはナポリでporous (辞書的意味で、多孔性の)のコンセプトを得た・発展させた...

ベンヤミンはナポリでporous (辞書的意味で、多孔性の)のコンセプトを得た...民主主義から愛されていない国において、未来にチャンスがあるのかか?が、そう言い切ってしまっては予言の言葉になってしまう。予言を信じるほど僅かな希望をもっているわけでは…

「論語」の世界 No.4

仁斎論語で注釈を与えられている、「学」とか「天」とか「仁」とか「信」とか「忠恕」とか「鬼神」について語られるものから諸々の理念を読み取れる。孔子は諸々の理念のようなものだろう。孔子は弟子達のどこにも存在していたが、「何?」という問いにたい…

私は2009年以来、アンチG20の立場だから、彼らの世界経済についての発言にたいしては常に疑ってしまうことになるのだけれど、

私は2009年以来、アンチG20の立場だから、彼らの世界経済についての発言にたいしては常に疑ってしまうことになるのだけれど、あらためて、"We will make the pie bigger and make sure people get a fairer share" (Xi Jinping)という言葉をきくと、富…

仁斎論語 

仁斎論語 学而第一(1) 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 第八章 学而第一(2) 第九章 第十章 第十一章 第十二章 第十三章 第十四章 第十五章 第十六章

羽田空港へ行ったら、「ようこそ、東京五輪2020」の横に、こんなの、ありですか?「ガンバレニッポン」と掲げた大看板をみて蒼ざめました。大会主催国なのに、参加国と参加者全部に応援の言葉をかけることができないのですか?

羽田空港へ行ったら、「ようこそ、東京五輪2020」の横に、こんなの、ありですか?「ガンバレニッポン」と掲げた大看板をみて蒼ざめました。大会主催国なのに、参加国と参加者全部に応援の言葉をかけることができないのですか?イギリスのオリンピックの…

Bouche de Vérité 「真理の口」

Bouche de Vérité 「真理の口」 「真理の口」は即ち「権力の口」。権力というものが解釈に依存する現代においては一層そうである。この「真理の口」にたいして、対抗的に、ネットは、政治の領域にむかって、<いつ?><どれくらい?><どのように?><だ…

ドゥルーズからの一文―<理念(イデア)>、そして諸能力に関する差異的=微分的理論より

A la fois les Idées ne sont pas l'objet d'une faculté particulière, mais elles concerned singulièrement une faculté particulière, au point qu'on peut dire; elle en sortent. ( pour constituer la para-sens de toutes les facultés) Encore une …

感じること・考えること・書くこと ー明確な境界線と曖昧な境界線の間で

「文学に現れたる我が国民思想の研究」(全四巻)は厳密な古典批判を行っている。(「厳密」というのは一応、脱神話化したというような意味。)この著作が出版された年1916年は、アイルランド独立の契機となったイースター蜂起Easter Risingの年でもある。1916…

サイードにとって亡命が意味したのは?

80年代・90年代は、後期近代のグローバル化が問題となってきました。啓蒙主義批判とともにポストモダンの言説によって知識人の意義が周縁化されてしまったのですが、サイードが行ったことは、新しい権力(言説)にたいして知識人という理念をいかに再構成して…

言葉と物のコンパクトな世界 No. 7

言葉と物のコンパクトな世界 No. 7 50年代のナチスのファシズムを批判した知は、アーレントの「全体主義の起源」「人間の条件」に集約される。それとサルトル「存在と無」の重要性は言うまでもない。続く、60年代・70年代は、スターリンの全体主義批判ととも…

Why is it always about how WOMEN dress ? ’きまって問題となるのは女性が何を着るかということ?’ (日本の問題でもある...)

Why is it always about how WOMEN dress ?’きまって問題となるのは女性が何を着るかということ?’ (日本の問題でもある...)

<東京五輪>寸劇

<東京五輪>寸劇 スーパマリオ「帽子とマント、衣裳を返しておくれ。いつまで僕は裸なの?雨にうたれてさむいし」 アベ「どうしても必要なんだ、あと四年待って。衣装を取り上げられたら皆ががっかりして僕を引き裂くんじゃないかと心配で仕方ないんだよ」 …

「言葉と物」のコンパクトな世界 No.6

「言葉と物」のコンパクトな世界 No.6 1、近代というのは、思考可能性と思考不可能性との間の距離を最大に価値化づける。近代主義者は(引き離すと同時に繫ぎとめるという)距離フェチシズムである。近代は思考不可能性からの差異化によって自らの正当化を反復…

Heidegger et H. Arendt

・Nur im echten Reden ist eigentliches Schweigen möglich.(Heidegger) (Authentic silence is possible only in genuine discourse) ・La désolation n'est pas la solitude. La solitude requiert que l'on soit seul, alors que la désolation appar…

思想とは関係なしにアートはアートとして伝え、また、アートとは関係なしに思想は思想として伝えるものなのか?私はわからない。だがそれよりも、アートはいかに思想を自らのものにすることができるのかという問いに惹かれる

思想とは関係なしにアートはアートとして伝え、また、アートとは無関係に思想は思想として伝えるものなのか?私はわからない。そうかもしれない。だがそれよりも、アートはいかに思想を自らのものにすることができるのかという問い私はに惹かれる。アートを…