安倍総理のヒロイックな涙。ちょっと待て

問題となっている紛争の構造についてそれほど知ろうとするわけではなく、政府の大量の難民を出しても平気だとする外交政策の無理に失望せず、政府とマスコミの情報にたいして疑いが起きるわけでもなく、(同情といえる内容なのかわかりませんが)、「人質」にたいするこれほど真っ直ぐな共感というものは、内外の暴力で殺伐としたイギリスで暮らしていたあいだみたことがありませんでした。このような共感は、ほかでもない、憲法9条がつくった顕著な精神ではないかと想像し深く感動もいたします。ただし、本当の意味で憲法9条が人間的にヒューマニズム的に高まるためには、似非功利主義的な贋自己責任論(同時にこれは日本国家が齎した禍は民が引き受けるのが当たり前だという国家無責任論)を拒否していくことがなければ...。そして、安倍総理のヒロイックな涙。ちょっと待て。世論の誘導のなかで安倍の地球の裏までいくと宣言した集団的自衛権の行使がなし崩し的に推し進められようとしているではありませんか。もはや、憲法を守るといっている相手(安倍)に、もう一度憲法を守れといってもたたかいになりませんから、明日自衛隊が中近東で戦争をつくることをやめさせるためには、アメリカの空爆をやめさせることも含めて、なんとか現在できることといえば、憲法を利用する形で、世界第何位の大きすぎる軍隊の行動範囲を日本周辺という地域的に限定した平和原則を確立する事からはじめるしかないのではないでしょうか。