2 月4日衆議院予算委員会での安倍の答弁は、平和憲法と平和共存をもとめる東アジアの人々の願いを真向から否定するものです

ヨーロッパの知識人がそれほど本気でイスラエルを非難しているようにみえないのは、イスラエルからナチス支持者とみなされるのがこわいこと、またイスラエルからヨーッロパのナチス協力の痛い事実を追及されたくないと思っていることが、昔読んだ「ル・モンド」紙で厳しく指摘されていました。ナチスとそれと協力した母国を徹底的に批判している、例えばゴダールの様な知識人達だけが、公明正大に、イスラエルパレスチナ人に対する暴力を非難できるということを改めて知りました。さていくら日本人がナチスファシズムを非難しておきながら、靖国公式参拝の(戦前との連続性を作り出そうとする)ファシズムを非難しないとしたら?それは無意味。ファシズムというものをただの中立的な風景にしてしまう忘却の行為に等しいとはいえないでしょうか。自戒を込めて。衆議院予算委員会での安倍の答弁は、平和憲法と平和共存をもとめる東アジアの人々の願いを真向から否定するものです。靖国神社は他の神社と同様に一神社として存続する条件は、憲法の信教の自由と政教分離原則を尊重すること。が、安倍がよみがえらせようと企てているのは、戦前にあったような顕彰施設の靖国神社、つまり、戦場で敵を一人でも殺して死んだら神として祀ると約した国体の教説を拠り所とした戦争神社です。戦争で死んだ人々のために祈る施設としては、戦後国が建てた千鳥ヶ淵戦没者碑があります。首相はここで弔うことができます。大勢は事なかれ主義で全体主義の恐怖から逃げ出すが、なんとか問題を自分たちの力の権内に置くことで恐怖を克服できないものだろうか....

衆議院予算委員会は4日、経済と外交などをテーマに集中審議を行った。安倍総理大臣は、みずからの靖国神社参拝に関連して、「戦争の犠牲者の中に戦争の指導者も入ると考えているのか」という質問に対し、「誰に対して手を合わせているのか、誰を除外しているのかということは答える考えはない。靖国神社は、合祀されている方々すべてをおまつりしている。『誰がいい、誰が悪い』と差別せず、すべての方々をおまつりしている。われわれと戦った相手の方々も含めて、すべてをおまつりしている」