ゴダールの『万事順調』(Tout va bien 1972)

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ゴダールの『万事順調』( Tout va bien 1972)

ジェーン・フォンダが友情出演した『万事順調』は、テレビ局のストライキを舞台にしている。はたして個人は、集団の声のテロリズム(フランス共産党労働組合)から、匿名化されている自分の声を取り返すことができるか。「ジガ・ヴェルト」集団の『万事順調』は、映画が構成する抗議としてのテクストであり、主観性と感覚と身体は映画-政治の言説の抽象性に押しつぶされているというか。‪ブルジョアから作った多様性を否定するも、否定し尽くして共同体の過剰な集団主義に陥って消滅してしまうならば、ブルジョアの近代を批判的に問いつつ、天の(国家を超える)公共性のもとでの多元性の可能性が考えられるときである。‬