ジガ・ヴェルトフ集団の『ウラジミールとローザ』( Vladimir et Rosa 1971 )

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ジガ・ヴェルトフ集団の『ウラジミールとローザ』( Vladimir et Rosa 1971 )

‪「滑稽」とされるこの映画は、黒なき黒のイメージについて語っていた。黒なき黒のイメージとは何か?嗚呼禅問答みたいでわからないということもあって、かえってなんか気になっている。問題があった、マルクス主義の解釈し尽くす理性を黒のイメージだとする。それを否定し尽くしてしまうのは、黒なきイメージに非ず。黒なき黒のイメージとなる。黒を考えること自体は意味があるのだから、黒なきイメージによって隠蔽してはいけないというか 、これは倫理的なことにかかわるというかね。 (『映画史』の後半の最後は暗闇で覆われているという印象をもつのだけれど、暗闇は倫理的であり、黒なき黒のイメージのアイロニーを喚起する)